瞬発力

この前の水曜、トンカツ屋へ行った。


お店はすべてカウンター席。


お昼なのでお客さんがいっぱいだ。


とはいっても、パラパラと空いている席はある。


私の両隣も空いている。


次々とお客さんがやって来ては、パズルのように空いた席へ座っていく。



スーツを着た40代おぼしき2人組が、店内にはいってきた。


2人は並んで座りたいらしく、店内を見渡す。


あいにく、2つ続けて席は空いてない。



2人はなんだかモジモジしていて、困惑の表情と哀愁を漂わせていた。



私はすかさず、自分のトンカツと共に右隣の席へ移動し、2人に

『どうぞ!』

と2人席を作った。



どうだっ!この瞬発力!


参ったかっ!




2人は

『あ。ど・どうも、すいません。』


と私に圧倒され、やはり哀愁が漂っていた。



席を移動し、声をかける。


そんな事をわざわざする必要があるのか?


なんて迷う必要はない。


相手が困っているなら、迷わずやるべきだ。



現代社会で生きていくには、瞬発力が必須だ。




トンカツ屋での一件は茶番である。




しかし、瞬発力が生命をわける場合もあるのだ。

 

 

 

 




ある朝の出来事。


ちょっとした騒ぎがあった。


娘を保育園に預け、駐車場へと戻った。


そこに、いつも見かけるお父さんがいた。


そのお子さんで、3歳くらいの女の子が突然、駐車場から道路に向かって走りだした。


うちの保育園は県道に面している。


交通量は多いし、車のスピードも速い。


お父さんは下の子を抱っこしていたので動けない。


お父さんが女の子の名前を叫ぶ。




その瞬間、私は女の子に向かって猛ダッシュしていた。



私が女の子に追い付く頃、女の子は立ち止まり、道路を走っていた車も停車してくれていた。


大事には至らなかった。


たった一瞬の出来事だった。


走った距離はわずか10m。


陸上部で鍛えた私の健脚は、見事に錆びていた。



でも、こういう場面で、自分は瞬発力が働くのだと確認できた。




一つ心配がある。


あの現場には大人が5~6人いたはずだ。


だが動いたのは私だけだった。


みんな傍観者となっていた。



子供が飛び出したとき


災害のとき


誰かが大ケガをしたとき



一瞬で動きだす瞬発力が必要だ。



取り乱したら恥ずかしい。

なんて言ってはいられない。





誰か困っている人がいたら、躊躇せず手を差し出す。


そんな日常を送っていれば、いざという時に瞬発力が働くだろう。

 



 



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