忘れ物の推理

ある日、お客さんがドバッと来て夕方の玄関に傘がポツリ。



忘れ物である。


白地でドット柄、女性用の傘だ。


お昼には傘はなかった。(気がする。)



それ以降に来た人・・・。



 

部活を頑張るクリクリ坊主のA君。


夫婦で来ていたB夫妻。


サラリーマンのCさん。


結婚式を間近に控えたD子さん。


母と娘2人で来ていたE親子。


須崎から来てくれたF婆ちゃん。




そういえ待合室にタオルとペットボトルも忘れている。


読めたゾ。



E親子に違いない。


娘さんを施術しているときに、お母さんがペットボトルでなにか飲んでいた。



早速電話してみる。


私『Eさん、傘とタオル忘れて行ってないですか?』


Eさん『すいませ~ん。タオル忘れてました。でも傘は違いますよ。』


Eさん『そういえば、帰るときに綺麗な傘があるなと思って見ていました。』



ムムム~。(ーー;)


傘は違ったか。



 

でもこの時点で、傘の主はF婆ちゃんではないと分かった。



B夫妻に電話だ。


B夫妻『違います。わざわざありがとうございます。』


丁寧な方だ。




残るはD子さんしかいない。


D子さん『ピンクの傘ですか?白?じゃあ違います。』



うーむ。ここで推理が頓挫してしまった。




 

一休さんのごとく、目を閉じて考えた。



すると一瞬でひらめいた。

一休さんより私も方が、数段ひらめきが早い。


薄々感じてはいたが、やはり私は天才だった。




持ち主はF婆ちゃんだ。


間違いない。




E親子が帰る頃、F婆ちゃんはすでに店内にいた。



だからE親子は帰りぎわ、F婆ちゃんの傘を目撃したのだ。


満を持してF婆ちゃんに電話。


F婆ちゃん『あたしゃあ、今日は傘を持って行ってないぞね。』



 

やはり私は天才ではなかった。


シュン(T-T*)



ここでタイムアップ



閉店の時間。


今から電話しても、私が帰ってからお客さんが掛け直してくるかもしれない。




それにしても、持ち主は誰だ?




クリクリ坊主のA君か?


サラリーマンのCさんか?


とても男性が使うとは思えない傘がポツリ。



 

 

ひょっとして、午前中から傘はあったのか?



いやいや、昨日からあったのかも。


こうなると可能性は無限大である。


誰か心当たりのある方はお電話ください。

 

 

 

 

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