人に伝えるということ②

人に伝えるときは、なるべく専門用語を省く。

 

 

小学生にも解るように。

 

 

これが鉄則である。

 

 

私の仕事であれば専門用語どころか、どれが『神経』で、どれが『椎間板』で、どれが『靭帯』なのか、一般の方はよく解らないと思う。

 

 

 

ということは、説明ではこのような言葉は極力使わない方が良いのである。

 

 

こちらが常識と思っていることを、まず疑うべきでなのだ。

 

 

 

 

もちろん

 

 

『カタルシス』

 

 

『ナショナリズム』

 

 

『アイデンティティ』

 

 

などなど、カッコいいだけで訳の解らない用語はもってのほかだ。

 

 

 

 

 

 

 

先日、マスクをして寝ていた。

 

 

私は花粉症なので鼻が詰まり、朝のどがカラカラになるのを防ぐためだ。

 

 

すると3歳長女が

 

 

『お父さんお風邪引いたの?』

 

 

と聞いてきたのだ。

 

 

 

 

『そうだよ。心配?』

 

 

と聞くと長女は

 

 

『うーん。。。。』

 

 

と、反応がにぶい。

 

 

 

 

 

父『心配ってわかる?』

 

 

長女『うーん。。。』

 

 

父『心配ってなに?』

 

 

 

 

長女『赤いの』

 

 

長女『お外で遊ぶの』

 

 

長女『さむーいの』

 

 

長女『お洗濯干すが』

 

 

と、たくさん当てずっぽうで言ったが、悲しいほどどれも当たっていない。

 

 

 

父『エエッ (;゚Д゚) 心配知らんの?』

 

 

と聞くと、3歳児はさらに頭を捻りだし、答えた。

 

 

 

長女『てくてく歩いて取りに行く。』

 

 

父(それはお芋掘り)

 

 

 

長女『お鼻にいれてクルクルするが』

 

 

父(それはティッシュ)

 

 

 

長女『グジュグジュにして食べるが』

 

 

父(それはなんだ (ーー?)

 

 

 

 

 

父『今日はシンパイ食べた?』

 

 

父『今日はシンパイ保育園に持っていった?』

 

 

と意地悪な質問をしたら、

 

 

長女『うーん。。。』

 

 

長女『シンパイってなに?』

 

 

と、とうとう聞いてきた。

 

 

 

 

 

そうである。

 

 

たかが『心配』という言葉さえ3歳児には難しいのだ。

 

 

『シンパイ』とは3歳児にとって、大人の使う専門用語なのだ。

 

 

 

逆に言うと、長女にわかるように説明できたら、誰にでもわかるはずだ。

 

 

 

 

 

そして『心配』を3歳児に説明するのは、難しい。

 

 

 

 

『お父さんが風邪引いて、頭痛くないかな~』

 

 

『って思うことだよ。』

 

 

 

と説明した。

 

 

 

 

 

 

それから3日後。

 

 

 

もう一回『心配』を長女に聞いてみた。

 

 

 

長女『んーとねぇ。えーとねぇ。』

 

 

 

長女『お父さんがお風邪引いてゴホゴホ言うが。』

 

 

 

長女『ほんでお医者さんのとこ行って、注射するが。』

 

 

 

 

少し心配とは違う説明だが。

 

 

後半は尾ひれがついてはいるが。

 

 

父の説明を、一生懸命聞いてくれていたのが分かったので二重丸をあげた。