NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』という番組をご存じだろうか。
各界のプロフェッショナルをドキュメンタリー形式で追っていく番組である。
プロの仕事人のこだわりや思考をひも解いていくのが醍醐味だ。
寿司職人。
お笑い芸人。
教師。
ベンチャー企業社長。
サッカー部監督。
車の整備士。
ハイパーレスキュー隊。
管理栄養士。
リンゴ農家。
各業界のプロフェッショナルが自分にとっての成功要因を語る。
サッカー部の監督は面白かった。
教師とは『教えるのではなく、考えさせること。』
なるほど。
これは子育てでも同じだな。
むろん私の商売にも重なる。
健康とはなにか、私が語るのではなく、お客さんに考えて気付いてもらう。
そうでないとなかなか身には着かない。
小児外科医も良かった。
達人の教えは『つねに臆病であれ。』
ほんのささいなミスや見落としで、子供たちの命はなくなる。
それが小児外科の手術現場だ。
彼は手術の前日、手書きの紙を何回もチェックする。
手術の手順。
そこで注意するべき点。
そこで想定されるトラブル。
彼は黄色い蛍光ペンでチェックした項目を塗っていく。
チェック項目には、既に赤と青のチェックが記されている。
黄色は3回目のチェックだったのだ。
ひたすら繰り返し復習しているのだ。
彼の仕事は人の命がかかっているのだ。
私もそれくらいの意識でやれば、彼のような精度の高い仕事ができるのではないか。
こういう番組をみたとき『だけ』私は反省する。
小学校で管理栄養士をしている人も良かった。
『(子供たちが)嫌いなものを、愛情をもってだす。』
子供たちが嫌いな野菜を、なんとかして手間暇かけて食べさせる。
少しでもいろんな味を体験させる。
管理栄養士もサッカー部の監督も外科医も根源は同じ。
愛なんだと思う。
私がもし、将来プロフェッショナルのインタビューを受けたなら。
成功要因はなんと語るか?
いまの自分ならこう言う。
『曖昧さをなくす』
私の仕事は恐らく職人というカテゴリーに分類される。
毎日同じことをやっているのだ。
しかし、それを惰性でやってしまうと、仕事の精度はグンと落ちてしまう。
なぜ数あるテクニックのなかでこの矯正を選んだのか?
なぜこの順番にしたのか?
次の矯正のタイミングはいつか?
どこを矯正するか?
どの方向に矯正するか?
毎日なにげにやっている仕事を曖昧にしない。
ちゃんとその仕事には根拠や理由があって、それを常に考える。
それが達人になる秘訣なのだと思う。