大運動会 2017 かけっこ

 

今年もこの日がやってきた。

 

 

大運動会の日だ。

 

 

 

長女のかけっこは4人で走る。

 

 

長女と同じ組みのなかに、保育園で一番速い子がいるのだ。

 

 

 

 

うちの長女が保育園で2番目に速い。(たぶん)

 

 

そのランキング1位と2位が、かけっこで激突するのだ。

 

 

夏の高校野球大阪予選1回戦で、いきなり大阪桐蔭と履正社が激突した以来の衝撃である。

 

 

 

 

長女にとっては保育園で最後の運動会。

 

 

ここで決着をつけろという思し召しに違いない。

 

 

 

 

 

 

とは言っても相手は絶対王者。

 

 

案の定、長女は練習では一度も勝てなかったよーだ。

 

 

小運動会でも負けている。

 

 

なんせ一番早い子とは、走っているときの迫力が違う。

 

 

走力では負けているので、作戦で勝つしかない。

 

 

急遽、家族会議を決行。

 

 

 

 

 

絵本の周りにキティちゃんのおもちゃをおいて、いかにスタートが大事か、インコースが有利かを説明した。

 

 

狭いグラウンドでは先手必勝が大事なのだ。

 

 

 

 

 

そして本番当日。

 

 

当日の朝も、念を押してスタートダッシュの練習をした。

 

 

 

 

 

いよいよ長女のかけっこ。

 

 

長女の出番。

 

 

ヨーイ。パン!!

 

 

長女がスタートダッシュで前にでた。

 

 

スタートではみんなインコースを狙うので、肩がぶつかり合う。

 

 

そうなると引いてしまう人もいるが、 長女は引かずに前へ出てトップをとった。

 

 

私『よっしゃ!!』

 

 

トップのまま加速する長女。

 

 

これではなかなか抜かれない。

 

 

作戦成功。

 

 

途中で抜かれそうになったが、なんとか持ちこたえた。

 

 

最後の直線。

 

 

 

 

 

ゴールテープまであと3メートル。

 

 

 

ここで勝負の神様が動いた。

 

 

 

猛追してきたライバルの子が転倒したのだ。

 

 

そして、コケた子の手が長女の足に当たって靴が脱げた。

 

 

脱げた靴は『ポーン』とゴールテープの下に転がった。

 

 

 

 

 

なにを思ったか。

 

 

長女はゴールテープの手前2センチで急ブレーキをかけ、脱げた靴を拾った。

  

 

 

おいおいおいおい!!!!!!(゚ロ゚屮)屮

 

 

 

ゴールテープをギリギリでしゃがんでよけ、靴を拾った。

 

 

その間にうしろの子が次々とゴール。

 

 

 

 

一生懸命に走ったのだけれど、最後は大事な靴を慌てて拾ったのだ。

 

 

ゴール直前でレースを放り出して、健気に靴を拾うさまは私とヨメの爆笑を誘った。

 

 

靴を拾うさまは、とってもチャーミングであった。

 

 

 

 

 

ビデオをスローで見ても、長女が1位だったか2位だったか、はたまた3位だったか分からない。

 

 

1位でゴールテープを切ったような。

 

 

切ってないような。

 

 

スローで見てもよく分からない。

 

 

ゴールラインは1位でまたいだ気がする。 

 

 

だが、一位だっかたどうかは、もはやどうでも良いと思えるほど面白かった。

 

 

 

 

 

この子はいつも私の想像をこえてくる。

 

 

長女には勝負の神様ではなく、笑いの神様がついていると確信した出来事であった。

 

 

 

 

 

その日のお風呂にて。

 

 

 

長女が名言をはいた。

 

 

長女『お父さん、あたし、頑張ったら勝てるがやって分かった。』

 

 

 

この一言に100の価値がある。

 

 

 

 

 

『頑張ればうまくいく』

 

 

たったこれだけのことを、私は長女に伝えたかった。

 

 

でも言葉で言っても伝わらない。

 

 

本当に理解するには、自分で体験するしかないのだ。

 

 

 

20年かけて伝えようと思っていたことを、長女は6年で、自力で理解した。

 

 

 

こんな体験ができて長女は幸せである。

 

 

会場の笑いもとったし、最高だ。