ビッグプロジェクト

 

 

『あと何日?』

 

 

これが、いつの日からか長女の口癖となった。

 

 

今回もクドい。

 

 

お誕生日もクリスマスも随分前から

 

 

『あと何日?』

 

 

と聞いてきた。

 

 

 

よほど楽しみだったに違いない。

 

 

 

 

 

今回もお楽しみが近づいている。

 

 

卒園式でも入学式でもない。

 

 

我が家が総力をあげて、昨年の秋から進めてきたビッグプロジェクトである。

 

 

大統領に立候補するわけでも、宇宙旅行に行くわけでもない。

 

 

もっともっとビッグプロジェクトである。

 

 

 

 

長女『お父さん、あと5日も待てん。』

 

 

長女『なんで今日お引越しせんが?』

 

 

 

私『だって、このタンスもベッドもお父さんだけじゃ持てんやろ?』

 

 

私『お父さんと一緒に新しいお家まで持って行ける?』

 

 

長女『んーん。持って行けん。』

 

 

私『だから、力持ちのお兄ちゃん達に、引っ越しのお手伝いをお願いしちゅーきね。』

 

 

私『お兄ちゃん達の時間が空いてるのが5日後ながで。待ちよってよ。』

 

 

 

長女『はーい。ヽ(*´∇`)ノ

 

 

という説明をしていたのだが。。

 

 

 

 

長女は、どうやら今住んでいる所から引越し先まで、みんなでエッホエッホと担いで家具を運ぶと思っていたらしい。

 

 

 

 

 

家を建てるにあたって、お子ちゃま達のリクエストがあった。

 

 

煙突である。

 

 

 

煙突を装着すれば・・・

 

 

防音に大きな問題がでる。

 

 

断熱は著しく低下する。

 

 

気密性に至っては致命的なダメージを負う。

 

 

高気密住宅に設計したのに、煙突をつければ超低気密住宅になる。

 

 

きっと火災保険も今より数段高くなる。

 

 

さらに、ご近所から煙のクレームがくるかも。

 

 

だから煙突は断念した。

 

 

 

 

でも大丈夫だ。我が子たちよ。

 

 

煙突がなくてもサンタはやってくる。

 

 

今までもサンタは来たではないか。

 

 

薄々気付いてはいると思うが、サンタは家の中にいる。

 

 

 

 

この家がお父サンタとお母サンタからのビッグプレゼントだ。

 

 

謹んで受け取るのだ。