星の王子さま

私は悩んでいた。

 

 

5歳になる次女へのクリスマスプレゼントだ。

 

 

私と嫁さんの両親や兄弟まで、うちの子供達にクリスマスプレゼントを買ってくれる。

 

 

だから私と嫁さんは、ごく質素なものをプレゼントするようにしている。

 

 

たいがいは絵本だ。

 

 

決して決して、私がケチだとかそういう事ではないのである。

 

 

 

 

 

 

今回、次女に買おうと思っているのが

 

 

『絵本版 星の王子さま』

 

 

である。

 

 

 

むかし文庫で読んだ星の王子さまは、私にはとても難解だった。

 

 

内容が比喩の連続で、読んだ人の感性や心情で解釈が変わってくるであろう本だ。

 

 

でも、ものすごく刺さる言葉もあって、今でも鮮明に覚えている。

 

 

それもあってか、世界中で愛されているのが『星の王子さま』である。

 

 

星の王子さまは絵本版だけでも何種類も出版されている。

 

 

 

 

 

さてさて、どれが良いのか。

 

 

はたしてうちの子供たちに、どこまで理解ができるのか。

 

 

 

 

 

 

 

星の王子さまのストーリーはシンプルだ。

 

 

砂漠に不時着したパイロットと、お家くらいの小さな星からやってきた王子さまとの会話がメインとなるお話。

 

 

私が大好きなシーンをかいつまんで説明しよう。

 

 

 

 

 

 

 

王子の星にはバラが一輪だけあって、そのバラを王子はとても大切に育てた。

 

 

バラは世界にたった一つ、自分の星のあのバラしか存在しないと王子は思っていた。

 

 

 

 

 

でも地球でバラ園を見てしまった。

 

 

自分だけが一つだけ持っていると信じていたバラが、他にもいたるところにあったのだ。

 

 

王子はなんだか悲しくなって泣き出した。

 

 

とたんに自分のバラは価値がないように思えた。

 

 

 

 

 

ここからの、キツネと王子との会話が秀逸なのである。

 

 

 

キツネ『もう一回バラ園に行って、バラ園のバラと君の育てたバラと、よーく見比べてごらん。』

 

 

 

 

王子『分かった。分かったよ。』

 

 

 

 

・・・王子はバラ園に行き、キツネのもとへ帰ってきた・・・

 

 

 

 

キツネ『違っただろ?』

 

 

王子『違った。全然違った!!』

 

 

 

『なぜって僕が水をやったのは、他ならぬあのバラだから。』

 

 

『僕が毛虫を退治してやったのは、あの花だから。』

 

 

『僕が衝立を立ててやったのは、あの花だから。』

 

 

『あれが僕の花だから。』

 

 

 

 

 

 

キツネ『君がそのバラに費やした時間が、君にとってバラが特別なものにするね。』

 

 

 

 

自分が愛情をもって一生懸命育てたバラと、そこに生えているバラが同じはずがない。

 

 

 

 

愛情とはその人に何をしたか。

 

 

その人とどんな時間を過ごしたか。

 

 

 

愛情とは育てていくものだと王子は学んだのである。

 

 

 

 

 

 

 

これを知ると、女にフラれたやつに

 

 

『女なんて星の数ほどいるよ。』

 

 

という励ましが、いかに無意味かわかる。

 

 

 

女は星の数ほどいるが、一緒に時を過ごした人は、あの人しかいないのだ。

 

 

 

 

うーん。

 

 

 

星の王子さま。

 

 

やっぱりいいなぁ。

 

 

 

 

 

『星の王子さま』

 

 

 

『ドラえもん からだのふしぎ』

 

 

 

どちらにしようか迷うぜ。