切なくなった話

 

もうすぐ小学3年生になる長女。

 

 

3学期が某ウィルスのせいで突然終わりを告げようとしている。

 

 

 

 

長女には大きな課題がある。

 

 

目の前のやらなければいけないことよりも、自分のやりたい事を優先する癖がある。

 

 

要は熱中すると、周りが見えなくなるのだ。

 

 

遺伝とはかくも恐ろしい。

 

 

 

 

 

例えば国語の時間に作文をやっていて、途中から先生が

 

 

『はい、では作文はここまで。今から漢字の勉強です。』

 

 

と言われても、作文に熱中していれば、そのまま作文をやってしまうのだ。

 

 

まるで私が小さい時と同じである。

 

 

 

 

 

 

『もし先生の話がちゃんと聞けてなかったら、スイミングスクールは辞めさせる!!』

 

 

と私が言い放ったのは去年の夏休み。

 

 

長女は泣きながら約束した。

 

 

長女はスイミングが大・大・大・大好きなのだ。

 

 

 

 

 

だが、2学期にその課題は克服されなかった。

 

 

3学期の初めに、もう一度硬い約束を交わした。

 

 

そして今、3学期は突然終わりを告げようとしている。

 

 

 

 

 

 

 

長女はソワソワしていた。

 

 

 

『私はちゃんと先生の話を聞きゆうけど、先生はちゃんと私を見やせんかもしれん。』

 

 

とか訳の分からないことを言っていた。

 

 

 

 

もう一度約束を確認した。

 

 

学校で先生の話をちゃんと聞けていないと、スイミングは辞める。

 

 

授業もちゃんと聞けないのに、好きなことだけやるわけにはいけない。

 

 

 

 

 

 

 

その時、長女からでた言葉が私の胸を刺した。

 

 

『もしスイミングに行けんなったら、スイミングの楽しかったのを絵に書いて、思い出すようにする。(´・ω・`)

 

 

 

なんと切ないことを言うのだ。

 

 

 

 

去って行った恋人が忘れられず、思い出の写真をみて傷心を紛らわすかのような行為だ。

 

 

 

そんな切ない思いを、8歳の娘にさせて良いのか。

 

 

良いわけがない。

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろん、長女が大好きなスイミングを取り上げるつもりはない。

 

 

私からカイロプラクティックを取り上げたら、きっと暴れた後、抜け殻になる。

 

 

長女からスイミングを取り上げたら、きっと泣き暴れた後、抜け殻になる。

 

 

 

そんな簡単に克服できるものではないと分かっている。

 

 

なぜなら、私がまだ克服できていないと身をもって証明している。

 

 

 

 

 

出来れば長女の良いところを伸ばしてあげたい。

 

 

大好きなことだけやって生きていけるなら、それも良いだろう。

 

 

でも悪いところも克服しないと、社会には適応できない。

 

 

 

 

 

長女よ。

 

 

スイミングは好きなだけ行って良いから、ちゃんと先生の話も聞けよなっ。