ロボの犬

 

次女は、私のスマホで犬のぬいぐるみを見ては、ニタニタしていた。(●´艸`)

 

 

6歳の誕生日プレゼントを何にするかチェックしているのである。

 

 

 

『おとーさん、ワンちゃん見せて~。』

 

 

もう何ヶ月も前から、これが次女の口癖となった。

 

 

鳴きながら歩く犬、なでるとクンクン甘える犬など、いろいろな種類がある。

 

 

 

 

 

それが8月にはいり、誕生日が近づいてきた時に雲行きが変わってきた。

 

 

ひょんな事からワンちゃんではなく、プリキュアのマスコットである『ラテ』のぬいぐるみが欲しいと言い出した。

 

 

うーむ。これは困った。

 

 

 

 

 

私は人生というサバイバルを生きていくなかで、二つの法則を学んでいる。

 

 

①プリキュアのやつはすぐ飽きる。

 

 

②そして値段が高い。

 

 

 

 

 

以前もプリキュアの魔法のスティックをクリスマスに買った。

 

 

スティックにストーンをはめ込むと音楽が鳴ったりするやつだ。

 

 

ボタンを押して音が鳴るというおもちゃは、すぐに飽きるのだ。

 

 

魔法のスティックを買う前は、あんなに楽しみにしていたのに、買った途端にすぐ飽きた。

 

 

いま次女が欲しがっているラテのぬいぐるみも、胸にストーンをはめて音が鳴ったりするやつだ。

 

 

 

 

 

明らかに、ラテよりワンちゃんを買った方が良い。

 

 

でも次女はラテが良いと言っている。

 

 

次女が私のスマホで見るのは、いつの間にかワンちゃんではなくラテになっている。

 

 

 

 

うーん。

 

 

親の力を行使してワンちゃんにするか。

 

 

次女の希望を尊重してラテにするか。

 

 

悩むところだ。

 

 

 

 

 

親がどこまで先回りして決めて良いのか。

 

 

 

本で読んだけど、失敗させて学ばせるのも大事だそうだ。

 

 

例えば季節の変わり目の肌寒くなってきた頃・・・

 

 

子『今日はこの服がえい。』

 

 

親『今日はひやいでっ。』

 

 

子『これがえいもん。』

 

 

親『・・・じゃあ着ていきなさい。』

 

 

数時間後。

 

 

子『ううう・・・寒い。』

 

 

 

親の忠告を振り切って薄着で学校に行き、寒かったり風邪ひいたりする。

 

 

そして、親の言うことが正しかったと子は学ぶわけだ。

 

 

 

 

もちろん、結婚とか就職とか取り返しの付かないものはしっかり親が意見を言ったほうが良い。

 

 

 

 

 

今回はどうする(・・?

 

 

プレゼントのチョイスに失敗しても、次女は学ばない気がする。

 

 

答えが見つからないまま誕生日は迫ってきた。

 

 

 

 

 

ある日、次女はワンちゃんを買うと決断した。

 

 

嫁さんがうまいこと導いたようだ。

 

 

私が作戦を考えている間に、もう作戦成功している。

 

 

さすがは嫁さんである。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして迎えた誕生日。

 

 

 

次女は満点の笑みでぬいぐるみを抱きしめた。

 

 

 

尻尾を振りながら歩いてくるワンちゃん。

 

 

紐を付ければお散歩もできるワンちゃん。

 

 

お家も付いているワンちゃん。

 

 

頭を撫でるとクンクン甘えるワンちゃん。

 

 

ネットで見ていた機能がすべてついているワンちゃん。

 

 

 

次女は喜び爆発であった。

 

 

 

次女はワンちゃんに『ペコ』という名前を授けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後。

 

 

休みの日に寝ていると、ロボの犬が吠えながら私の体を這い上がってくる。

 

 

貞子が四つ脚で這って向かってくる恐怖は、こんな感じだったに違いない。

 

 

ついには私の顔の上で両足をバタバタさせて、尻尾を振っている。

 

 

うちの姉妹はクスクス笑っている。

 

 

 

 

うーむ。ロボの犬を買って良かった。