過剰歯

 

みなさん過剰歯を知っているだろうか?

  

 

通常の歯の本数よりも多く形成された歯だそうだ。

 

 

 

 

腰椎だって通常は5個だが、4個や6個の人だっている。

 

 

人間の体は、みんな多少なりとも奇形があるものだ。

 

 

その過剰歯が、うちの次女にあることが分かった。

 

 

 

 

ちょうど2本の前歯の後ろに過剰歯は存在する。

 

 

前歯が生え変わる前に、この過剰歯を抜いておかないと、大人の前歯が綺麗に生えてこないそうだ。

 

 

それは困る。

 

 

 

 

せっかく愛らしいお顔なのに。

 

 

将来、原宿でスカウトされるかもしれないのに。

 

 

 

 

 

兎にも角にも、過剰歯を抜く運びとなった。

 

 

まだグラグラもしていない、乳歯の前歯を2本抜いて、さらに歯茎を切開して過剰歯を抜き取る大手術だ。

 

キャ━━(;;゜д゜)━━ッ

 

 

話を聞くだけで背筋が凍りつく思いだ。

 

 

 

 

 

 

 

抜歯当日。 

 

 

 

歯医者さん『ぢゃあ、チクッとするよ〜』

 

 

歯医者さん『すご〜い。えらいね〜』

 

 

歯医者さん『ぢゃあ、10秒間頑張ろうね〜』

 

 

・・・すでに10秒経っとるやんけ。

 

 

歯医者さん『いーち。にーい。さーん。』

 

 

先生はとてもゆっくり数えた。

 

 

歯医者さん『はーち。きゅーう。じゅう。』

 

 

歯医者さん『すごーい。もうちょっと頑張ろか〜』

 

 

歯医者さん『じゅう〜いち。じゅう〜に・・・』

 

 

私の勘定では30秒くらい経っている。

 

 

 

 

 

 

前歯を抜こうとした時、少しだけ次女が痛がった。

 

 

さらに麻酔を注射。

 

 

表に2つ。

 

 

裏から1つ。

 

 

実に8回も麻酔をした。

 

 

次女の歯茎は真っ白になっている。

 

 

 

 

 

 

我が子の前歯が抜かれるのを私はジッと見ていた。

 

 

嫁さんの出産に立ち会った時と同じ心境だ。

 

 

なにも出来ないけど、眼を背けず見守る義務があると思った。

 

 

 

 

 

ここからが本番。

 

 

院長が入念にレントゲンをチェックした。

 

 

いつもは温厚な院長の眼が、鋭くなった。

 

 

勝負師の眼だ。

 

 

抜いた前歯の歯茎からメスをいれ、過剰歯を位置を探っている。

 

 

そして、過剰歯を抜き出した。

 

 

 

 

 

 

麻酔が効いてるようで、次女はちっとも痛がらない。

 

 

というか、治療の終盤はかなり眠そうだった。

 

 

先週から、ちょうど保育園のお昼寝がなくなったせいだろう。

 

 

無事に治療は終わった。

 

 

次女はグーグー眠り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

1mmのミスも許されない。

 

 

そんな状況で仕事をしている。

 

 

やっぱり医者って凄い。