ある夏の暑い日。
小学5年生の次女と親子バドミントン大会があった。
親子がダブルスを組み、3組で1チーム。
団体戦で5試合戦う。
去年は次女がバドミントンを始めて3ヶ月で、初級者グループで参加した。
今年は次女が5年生と言う事もあり、上級者グループでの参戦となった。
親が熱心であれば、ジュニアでプレーしている子のほとんどが、保育園とか小1からバドミントンの英才教育を受けている。
うちの次女はまだ競技歴1年ちょいである。
さらに、親子バドミントンの上級者クラスに参加している保護者は、私以外ほぼ経験者だ。
きびしい闘いになりそうだ。
父『1勝はしたいね。』
次女『全部勝つつもりじゃないとダメで~。』
心強い。
次女は成長した。
去年は、小学1年の子供に集中攻撃するという大人の作戦で、5試合中1勝をあげた。
父『今年も親子で下手そうな方を狙おう。』
と言ったら
次女『そんなんダメで~』
と、たしなめられた。
次女は成長している。
さて、会場に到着。
次女が作戦を決めた。
私がコートの前衛で、次女が後ろを守る。
試合が始まると
『今のはおとーさんが打ってよ!』
『今のはスマッシュやろ!』
『今のはフォアの人が打つやろ!』
『打った後、早く前へ戻ってて言ったやんか!』
『今のはプッシュやんか!』
ヤバい。
次女がメチャクチャ怒ってる。
どこまで私が打って、どこから任せるかさっぱり見極められない。
そもそも、スマッシュやプッシュなんてできやない。
日曜日に、公園でおとーさんが山なりに打つバドミントンしかできない。
結局、午前中の3試合は惨敗。
なにせ相手は、バドミントンのコーチとその子供。
みたいなチームばっかり。
お昼休みに、作戦を変更した。
コートを前後ではなく、左右に分ける。
私が左で、次女は右。
なるほど。
こちらの方が、自分の守備範囲がわかりやすい。
4試合目。
結果は負けてはしまったけど、良い勝負だった。
次女も午前中ほど、プンプン怒っていない。
試合内容には納得している様子だ。
最後の5試合目。
相手チームのお子さんは、次女と同い年の女の子で、シングルでは何度も対戦している。
相手は県内では上位で活躍する子だ。
次女は毎回歯がたたない。
保護者はもちろんバドミントンの上位経験者。
試合になると、途中から私ではなく次女にばっかりシャトルが集まるようになった。
たぶん、暑さと疲労で私の脚がもう限界にきていた。
武士の情けで、動ける次女の方にシャトルを打っているのだ。
私の真後ろに飛んできたシャトルも、次女が回り込んで打ってくれた。
ナイスフォーローである。
今の次女だったら、この対戦相手の子とシングルで戦えば良い勝負になるのでは・・・
と思うほど、次女は上手くなっていた。
私は去年はもっと動けていた気がするが、今年は足が動かない。
次女は進化し、私は退化した。
午前中はしこたま叱られたけど、午後は仲良くプレーできた。
最後の試合も負けてしまったけど、次女の成長を目の前で見ることができた。
この夏。
次女は父の背中を大きく超えていった。