小学5年の次女が、UFOキャッチャーでかわいいトートバッグをゲットした。
次女はたいそう喜んでいた。
それが地獄の始まり。
次女はUFOキャッチャーが大好きになった。
そして、次女が満を持して夏休みの工作に選んだのが、UFOキャッチャーであった。
これが遅々として進まない。
父『工作が終わらんと、善通寺のプール行けんきねっ』
工作が終わらないと、次女が楽しみにしていたプールもいかないと宣言していた。
しかし、期日までにとてもとても終わるような代物(しろもの)ではなかった。
厚紙とタコ紐を駆使して、クレーンが上下左右に動き、さらにアームが開閉する。
江戸時代のからくり玩具のような工作である。
ひもAとBを引っ張るとクレーンが左右に動き、ひもCとDを引っ張ると前後に動く。
ひもEとFで上下、ひもGとHでクレーンが開閉する。
YouTubeでは、12分で厚紙からUFOキャッチャーが仕上がる。
この動画を次女が見つけてきて、UFOキャッチャーに決まった。
しかし、3分クッキングと同じで、12分で仕上がるわけない。
動画を見ながら一緒に工作してみる。
厚紙をこの形にカットして、
こことここに穴を開けて、
こことここにストローを通して、
そこに紐を通して、
こことここをテープで繋げる。
これでアームが左右に動く。・・・はず。
動画ではこれで1分。
実際には、1分の動画の工程分を作成するのに1時間かかった。
このペースでいけば、完了までに12時間かかる。
工作のお兄さんが、作業台を定点カメラで撮影しているのだが。
途中で撮影を忘れて、カメラから外れた所でカットしている部分も多々ある。
ここからここが何センチ、穴はここから何センチと丁寧な説明はない。
動画を停止したり、スローにしてどの形にカットしているか、どこに穴を開けているか、全集中で動画をみた。
仕事のときより集中して動画をみた。
途中でテープを貼り直したり、段ボールをカットし直したり。
途中で全然長さが足りない事に気付き、絶望を味わう。
ここは父親の力の見せどころである。
父『ほらっ。こうした方が段ボールの強度が増すやろ。』
次女『ほんとや~(ㅅˊᗜˋ)*.♥*+』
父『ほらっ。こうした方が簡単にひもが通るやろ。』
次女『すごーい。(ㅅˊᗜˋ)*.♥*+』
ほとんどワシがやっとるやないか・・・
次女は、父をうまく動かす術を心得ている。
知力、体力、財力、胆力、集中力、甲斐性。
夏休みの工作は、父親の総合力が試される。
すべて出し切らねば、完成には及ばない。
完成したとき。
感動するのか。
ホッとするのか。
新しい扉がひらくのか。
完成まで、あと少し。