映画館で鬼滅の刃を観てきた。
哀しいキャラクターの生い立ち。
迫力のある映像。
伏線の回収。
そりゃあ人気がでるはずだ。
なにかの解説で読んだ記憶があるが、作者は『共感』と『リアリティ』を大事にしているのだとか。
鬼滅の刃は主人公が急に強くなったりはしない。
鬼滅の刃は、とにかく稽古のシーンが多い。
これは作者のこだわりがあったようで、他の漫画のように主人公が一瞬で強くなるようなことはない。
リアリティと共感を得るために、主人公の炭治郎が稽古と現場経験で、少しずつ強くなるのを描きたかったそうだ。
最初は、初めて刀を握る少年からスタートする。
中盤でも、まだ先輩方にあたる柱より弱い。
終盤でやっと炭治郎は柱に追いつく。
ゆっくりといえども、炭治郎の成長速度は他のキャラクターよりも速い。
それにも秘密が隠されている。
映画を観ていて印象的だったのが、主人公の炭治郎が戦闘中に
『考えろ』
と何度も自分に言い聞かせているシーンだ。
スポーツでも、仕事でも、成果を出している人はちゃんと考えている。
ただ練習をしまくるのではなく、
ただ営業を沢山まわるのではなく、
成果をだしている人は、いつも考えている。
上手くいっている人は、脳みそに汗をかいているわけである。
カイロプラクティックでも、ゴルフでも、サーフィンでも、習得が早い人は、ちゃんと考えている人だ。
この差をセンスと言ってはいけない。
主人公の炭治郎は稽古をハードにこなす。
そして、戦闘中は誰よりも冷静に分析している。
そりゃあ強くなる。
炭治郎がどんどん強くなっていくのは、主人公だからではない。
よく考えているからだ。
炭治郎の成長が早くても、共感できるしリアルに感じられる秘密がここにある。
無限城編に突入する直前、ラスボスの無残に柱全員が切りかかるシーンがある。
残念ながら、全員落とし穴に落ちてしまうのだが、
このシーン。
よくみると、全員が無残の首を斬りに行っている。
鬼を倒すには首を斬る。
というのがセオリーだからだ。
たった一人。
炭治郎だけが『斬る』のではなく『突き』の攻撃をだしている。
無残に斬るのは通用しない。
突いて張り付けにして動けなくして、弱点である太陽がでるのを待つ。
その作戦がベストであると、あの一瞬で炭治郎だけが気づいて実行しているのだとか。
そこまで考えた描写が描ける作者もすごい。
この人もよく考えている。
私もよく考えないとなぁ。