カイロプラクティックには無数の理論やテクニックが存在する。
そのなかの一つが、ガンステッドテクニック。
ガンステッドとは、カイロプラクティックテクニックのなかで最高峰に位置づけされるテクニック。
テクニック習得の難易度は非常に高いが、効果も圧倒的に高い。
東京へは別のテクニックを学ぶために通っていた。
それが、休憩中にデモンストレーションでやっているガンステッドの矯正をみて、興味を持ち始めていた。
私には、開業したころよりの疑問があった。
Aのテクニックだけで、大成功している先生がいる。
それに対して、
AもBもCも習得して、大成功している先生もいる。
一つのテクニックを深く掘り下げた方がいいのか、
いろんなテクニックを使いわける方がいいのか。
9月の東京での講義の時、そんな疑問を学長にぶつけてみた。
学長いわく、
『一つの方法だけでも、いろいろ使い分けても、どちらでもいいと思うよ。』
『ただ、自分が納得のいく治療を患者に提供しなきゃダメだ。』
この一言が、私の背中を押してくれた。
東京の学長は、ドクター・オブ・カイロプラクティックと呼ばれていて、業界ではたぶん日本で一番エライお方。
野球界でいうと、長さん(長嶋茂雄)やワンちゃん(王貞治)クラスの実力と知名度を誇る。
学長の言葉は、いつも熱意にあふれている。
Aのテクニックだけでうまくいっている先生は、Aのテクニックが一番良い。
だから、他のテクニックは必要ない、と悟っているのだ。
決して妥協しているわけではない。
私の場合、ガンステッドは難しすぎるから、手を出さなかった。
ただそれだけだ。
妥協している時点で、自分が100%納得のいく治療なはずがない。
ならば、いま持っている武器だけよりも、ガンステッドも持っている方がいいに決まっている。
そう頭でわかっていても、やはり悩むのが人間。
今から、ゼロからガンステッドの勉強を始める。
これはかなり気力と時間を要する。
しかし、勉強した方がいいに決まっているのだ。
『やるかやらないかでは悩まない。』
『勝つために必要なことはすべてやる。』
そう自分で作ったルールがある。
よし。
やる。
肚が決まった。
そうとなれば一刻も早く学びたい。
だが、ガンステッドコースの入学は4月から。
まだ半年もある。
うーむ。半年で気持ちが覚めなければいいが。
とにかく、ガンステッドの文献や本やDVDを集めて予習を始めた。
むむ~(ーー;)
やはり最高峰。
独学で習得できるレベルではない。
そして10月、東京。
講義が終わったあと、私は学長と2人で話をするチャンスができた。
坂本『実は来年の4月から、ガンステッドのコースに入学しようと思っています。』
そこへすかさず、スタッフの方が
『坂本さんは、わざわざ高知から勉強に来ているんですよ。』
と、紹介してくださった。
学長『そうなの。わざわざ高知から来ているの。』
『それなら、来月からガンステッドの講義を受ければいいよ。』
坂本&スタッフ『・・・・へ・・・( ゚Д゚)?』
坂本『いいんですか?』
学長『いいよ。勉強になると思うよ。』
坂本『ありがとうございます。』
こうして、私は特別にガンステッドコースを途中から参加できる運びとなった。
隣にいたスタッフの驚きをみると、かなり例外な話なのだろう。
私の熱意なのか、
学長の温情なのか、
学びたい、
という強いエネルギーが引き寄せてくれたのか。
とにかく私は、11月からカイロプラクティックの最高峰であるガンステッドを勉強する。
また一つ、一流への道に近づいている。
ドキドキするぜ。
開業して10年。
私には師匠がいなかった。
だが、この学長を私の師匠にすると決めた。
技術も人格も、このような人になりたいと思った。
次に東京へ行くとき、高知の美味しい果物でも買って行こう♪