張り切り過ぎた話

 

コロナや台風のため、開催が危ぶまれた保育園の運動会。

 

 

なんとか台風はそれてくれたようだ。

 

 

今年はコロナの感染リスクを考慮して、2学年ごとに分けて運動会を行う。

 

 

 

 

例年なら7時には並んで、

 

 

8時に保育園の門がひらき、

 

 

ダッシュで良い席を保護者で取り合い、

 

 

9時から運動会がスタート。

 

 

というスケジュールだ。

 

 

 

朝早く並んで、開門と同時にダッシュして良い席を取り合うのが、運動会の朝の風物詩となっていた。

 

 

 

 

 

 

 

今年は天候の理由で、1時間遅くスタート。

 

 

つまり9時に開門して、運動会のスタートは10時。

 

 

次女の保育園での最後の運動会。

 

 

今年も良い席をゲットせねば。

 

 

 

 

私は張り切って7時半に保育園へ行った。

 

 

なんだか様子がおかしい。

 

 

誰も並んでいない。

 

 

いつもなら、7時でも10人以上は並んでいる。

 

 

1時間遅れのせいか。

 

 

今年は2学年分しか保護者がいないせいか。

 

 

うーむ・・・

 

 

 

 

 

あまり早く並びすぎると、

 

 

『張り切り過ぎ』

 

 

とクスクス笑われそうなので、一旦家に退却した。

 

 

8時にもう一度行ってみた。

 

 

やはり私しかいない。

 

 

保育園の先生に見つかってご挨拶されたので、もう並ぶっきゃない。

 

 

この時点で、まだ保育園の先生もほとんど出勤してない様子。

 

 

先生よりも早く来てしまったのだ。

 

 

 

 

 

その後、続々と先生が出勤してきた。

 

 

『今日は開催できて良かったですねぇ。』

 

 

『今年で最後ですねぇ。』

 

 

みんなに声を掛けられた。

 

 

 

 

は・・恥ずピー。(゚ロ゚; 三 ;゚ロ゚)

 

 

超張り切りお父さんと、みんな思っているに違いない。

 

 

誰か私の後ろに、早く並んでくれないものだろうか。

 

 

 

 

 

 

823分。

 

 

やっと私の後ろに人が並んでくれた。

 

 

 

 

8時45分。

 

 

3人4人と人が並んできた。

 

 

私の後ろに並んだ奥様方が、なにやら会話を始めた。

 

 

『今日、1時間遅れの10時開始なんですって。』

 

 

『えー。そーなんですか?仕方ない。待ちましょうか。』

 

 

 

 

その中の顔見知りの保護者が、私に声をかけてきた。

 

 

保護者A『今日10時からになったんですって。』

 

 

私はビクッとなった。

 

 

保護者A『知ってました?』

 

 

この人達は9時スタートと勘違いしてて、その上で845分に来た。

 

 

私は10時スタートと知ってて8時に来た。

 

 

どうする?

 

 

どうする?

 

 

 

 

知っていたと答えたら、

 

 

『このせっかち豚野郎!!』

 

 

と嘲笑されるのではないか。

 

 

 

 

ここは

 

 

『1時間遅れとは知らなかった。』

 

 

というリアクションをとるべきか。

 

 

否か。

 

 

 

 

私は一瞬考え

 

 

(1時間遅れを)今朝知りました。』

 

(テヘペロ)(≧▽≦)ゞ

 

 

と言い放った。

 

 

 

我ながら絶妙な答えだ。

 

 

知らなかったという驚いた白々しいリアクションをとる必要もなく、

 

 

かつ自己顕示欲を最小限に抑える印象を与える見事な回答だ。

 

 

 

 

 

その後、9時に門が開き、今年も無事に良い席をゲットした。

 

 

多くの保護者は9時半くらいにパラパラとやってきた。

 

 

保育園には、子供達が作った無数のてるてる坊主が吊るしてあった。

 

 

 

 

最後の運動会。

 

 

無事に開催できて本当に良かった。