ランニングコース

私の母校の中学校では、冬になると体育の時間に近くの川沿いのランニングコースを1周する。

 

 

金八先生のオープニングで見たような、いい感じの川沿いだ。

 

 

 

 

川沿いを走って、橋を渡ってグルっと1周で3km弱。

 

 

車も通らないし、信号も坂道もない。

 

 

そして景色は良い。

 

 

素晴らしいランニングコースだ。

 

 

中学校のマラソン大会ではここを2周走る。

 

 

 

 

 

 

 

あまり自慢は好きではないので、こっそり書くが

 

 

マラソン大会はもれなく優勝した。

 

 

 

 

 

 

私はあまり自慢とかする性分ではない。

 

 

だが、説明のために仕方なくひっそりとご紹介するが、

 

 

この川沿いコース1周で、

 

 

私は校内記録を作った。

 

 

 

 

 

体育教師が言っていたことなので、本当かどうかは知らない。

 

 

だが私は校内記録を作った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勉強で人を上回ることは出来なかった。

 

 

だが、走ることでは手応えを感じた。

 

 

このコースが、私にとって生きていくうえで必要な手応えを与えてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなメモリアルな川沿いのコースを、今一度走ってみようと思った。

 

 

どうせ走るなら、ジョギングではない。

 

 

タイムトライアルだ。(全力で走る)

 

 

 

 

この日に備えてジョギングだけではなく、別メニューも組んでトレーニングをこなした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジョギングとタイムトライアルは全く別物。

 

 

タイムトライアルは、現時点の自分の実力がモロに数字ででてしまう。

 

 

設定タイムを切れるのか?

 

 

惨敗を喫するのか?

 

 

誰と争うわけでもないが、自分が幻滅するような走りはできない。

 

 

久しぶりのプレッシャーである。

 

 

 

 

 

 

このコースを走るのは実に25年ぶりだ。

 

 

陸上部だった高校3年のときに、実は一人でタイムトライアルをしてみた。

 

 

中学の校内記録のタイムよりも、なんと1分以上も速かった。

 

 

非公認だが、手応えでは世界記録だったはずだ。

 

 

 

 

 

 

中学で校内記録。

 

 

高校ではそれを1分上回った。

 

 

さて、厄年を終えた今の私は何分で走れるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

いざタイムトライヤル当日。

 

 

 

ウォーミングアップを済ませ、中学の時と同じ場所からスタートを切った。

 

 

 

 

 

1km付近。

 

 

ペースはまぁまぁ。

 

 

でも油断すると、すぐ設定ペースよりも落ちる。

 

 

この時点で予想を上回る体力の消耗をしていた。

 

 

 

 

 

 

1.5km付近。

 

 

ボディブローが効いてきた。

 

 

まだ半分なのに、すでにかなりキツい。

 

 

でも足の回転だけは遅くならないように踏ん張った。

 

 

 

 

 

 

2km付近。

 

 

本来ならラストスパートするはずだが。

 

 

そんな余裕は微塵もない。

 

 

だがキツいながらも、ペースは維持している。

 

 

ゴールまで無事にたどりつけるか。

 

 

 

 

 

 

 

なんとかゴール。

 

 

最終ラウンドのロッキーのようにボロボロだった。

 

 

設定タイムより10秒遅かった。

 

 

 

 

 

 

でも充実感がある。

 

 

中盤キツかったけど、なんとかガッツでペースを維持できた。

 

 

あそこで自分に負けなかったのは、まだまだ気力は衰えていないと思えた。

 

 

 

 

 

中学でだした校内記録のタイムよりも、1分以上遅かった。

 

 

でも楽しかった。

 

 

またいつか走ろう。

 

 

 

 

 

このコースに挑んで、また青春を取り戻せたような気がした。